【小ネタ】GitHubプライベートリポジトリにあるRailsアプリをProvisionするVagrantfile
丹内です。掲題のとおり、プライベートリポジトリにあるRailsアプリを扱うVagrantfileを書きました。
背景
パブリックアクセスが設定されるリポジトリを元にしたProvisioningに比べて、実務上多いと思われるプライベートなリポジトリを扱うProvisioningに関する情報があまり無いようので、自分がやったことをまとめてみました。
Dockerはハードルが高いとしても、Vagrantなら手軽で敷居が低く、既存プロジェクトをポータブルする現実的な手法なのではないかと思います。
前提
- Vagrant 1.8.1
- VirtualBox 5.0.12
- Mac OSX 10.11.3
- sshを使ったプライベートリポジトリへのアクセス
Vagrantfile
agent forwardingして以下のVagrantfileでvagrant up
するだけです。
Vagrant.configure(2) do |config| config.vm.box = 'puppetlabs/centos-7.2-64-nocm' config.ssh.forward_agent = true config.vm.network :forwarded_port, guest: 3000, host: 3000 config.vm.synced_folder '.', '/vagrant', disabled: true config.vm.provision :shell, inline: <<-SHELL yum update -y yum install -y epel-release yum install -y http://dev.mysql.com/get/mysql-community-release-el7-5.noarch.rpm yum install -y git ImageMagick ImageMagick-devel gcc-c++ glibc-headers openssl-devel readline libyaml-devel readline-devel zlib zlib-devel mysql-community-server mysql-community-devel libffi-devel libxml2 libxslt libxml2-devel libxslt-devel nodejs kernel-devel systemctl stop firewalld systemctl disable firewalld systemctl enable mysqld.service systemctl start mysqld.service /usr/bin/mysqladmin -u root password '' SHELL config.vm.provision :shell, privileged: false, inline: <<-SHELL ln -s /var/lib/mysql/mysql.sock /tmp/mysql.sock sudo echo -e "Host github.com\n\tStrictHostKeyChecking no\n" >> /home/vagrant/.ssh/config sudo chmod 600 /home/vagrant/.ssh/config git clone https://github.com/sstephenson/rbenv.git ~/.rbenv git clone https://github.com/rbenv/ruby-build.git ~/.rbenv/plugins/ruby-build echo 'export PATH="$HOME/.rbenv/bin:$PATH"' >> ~/.bash_profile echo 'eval "$(rbenv init -)"' >> ~/.bash_profile ~/.rbenv/bin/rbenv install 2.3.0 ~/.rbenv/bin/rbenv global 2.3.0 ~/.rbenv/bin/rbenv exec gem i bundler git clone git@github.com:<Account Name>/<Private Repo Name>.git cd ~/<Private Repo Name> && ~/.rbenv/bin/rbenv exec bundle install --path vendor/bundle && ~/.rbenv/bin/rbenv exec bundle exec rake db:create db:migrate db:seed SHELL end
補足
config.vm.box
今回はpuppetlabs/centos-7.2-64-nocm
というBoxからスタートしています。Docker Imageもそうですが、ベースとなるイメージは極力公式の(身元が明らかな)ものを使いたいと考えています。
まず公式のCentOS7イメージが見つかるのですが、このBoxにはGuest Additionsが入っていないようです。
このコメントによるとpuppet labsのイメージだと入っているようなので、こちらを使いました。
config.ssh.forward_agent
trueを設定すると、vagrant ssh-config
にForwardAgent yes
を設定してくれるので、ssh -Aしなくても良くなります。
config.vm.network
forwarded_port
を設定する場合とprivate_networ
でIPを設定する場合があると思います。
今回は
- Railsアプリ(標準で3000番で動作)は2つ以上動かさないので、ポートの重複はない(あってもログでわかる)
- Dockerコンテナや他の仮想マシンでIPアドレスが重複するほうが面倒(Vagrantfileでハードコードすると他環境では動かないかもしれない)
ということで、forwarded_port
を設定しました。
config.vm.synced_folder
==> default: Mounting shared folders...
の部分で止まってしまい、仮想マシンは起動するけど遅いしエラーが表示されてびっくりすることがありました。
解決しても良いのですが、synced folderを使う予定もないので、無効にしました。
Agent Forwarding
利便性とセキュリティ上の観点から、仮想マシン内に鍵を生成・配置するのではなく、Agent ForwardingでホストのMacの秘密鍵を使ってプロビジョニングしています。
vagrant up
の前に、以下のようにagentを準備しておきます。
$ ssh-add -K ~/.ssh/github-private Enter passphrase for /Users/tannai.yuki/.ssh/github-private: Passphrase updated in keychain: /Users/tannai.yuki/.ssh/github-private Identity added: /Users/tannai.yuki/.ssh/github-private (/Users/tannai.yuki/.ssh/github-private) $ ssh-add -l 1024 SHA256:ABCDEFGH /Users/tannai.yuki/.ssh/github-private (DSA) $ ssh-agent
config.vm.provision
inline:
にヒアドキュメントで渡したプロビジョニングが実行されます。
privileged: false
を設定しないとrootで、設定するとvagrantユーザでシェルスクリプトが実行されます。
ホームディレクトリや権限を意識して使い分けると良いです。
Rails起動時の注意
仮想マシン内でのRails起動時に、rails s -b 0.0.0.0
とアドレスを明示しないと、ホストからフォワーディングできないので、注意が必要です。
Export時の注意
プロビジョニングしたBoxをvagrant package
でエクスポートするときに、仮想マシン内のDHCPのマッピングを消しておかないと不具合になるそうです(参考URL)。
まとめ
何かしらの方法で開発環境を仮想化してポータブルにしておくと、応援や引き継ぎの際に非常に便利なので、ぜひ設定しましょう。 今から始まるプロジェクトならDockerを使ったほうが良いかもしれませんが、それ以外のプロジェクトではVagrantを使ってBoxを作成する方法が低コストで良いです。